きつねのでんわボックス

【2004/2/1】

今日は姫と2人で 1日マッタリしてました
先日 姫に本を買ったまま 放置してたので 1册だけ 読んでみましたよ

内容を知らずに買った本 タイトルは何故か記憶にあったのですよ
きつねのでんわボックス
私が姫に本を読む時って かな〜り感情入れちゃうんですよね(苦笑)
今回も主人公になりきって かなり入り込んで読みました
でも‥最後までちゃんと読めなかった(>_<)

< 以下ネタバレ‥買って読もうと思ってる方は読まないでね(^_^;) >


病気でパパが死んでしまった子ギツネと そのお母さんキツネ

『ぼうやがうれしいと かあさんも いつもうれしいの』
「じゃ ぼくが まほうをつかったらもっとうれしい?」
『それは嘘よ だってかあさん、どんなにおまじないしても化けられないもの』
「なあんだ がっかり」


お母さんキツネは 子ギツネの成長を生き甲斐にし 2匹で仲良く暮らしていました

ある日 「寒い」と子ギツネが言った お母さんキツネが 抱き締める
次の日も寒いと言って‥数日後に子ギツネが死んでしまう

残されたお母さんギツネは 毎日泣いて暮らします
しばらく経って ようやく立ち上がるお母さんギツネ

その時 山のふもとに電話BOXを見つける
そこへ 人間の子供が病気の母に電話をかけにやってくる
毎日 毎日 嬉しそうな顔で会えない母に電話をかけにくる少年に
お母さんギツネは 子ギツネとダブらせる
少年の言葉を子ギツネの言葉だと思うようにし 耳を立てる

「お母さん!今日‥‥したんだよ♪」  『そう 良かったわね』
「お母さんて僕が嬉しいと いつも嬉しいって言うんだね」  『ええ そうよ そうよ』

お母さんキツネは心の中で答えながら ウンウンとうなずきます
少年が電話BOXに来るのを首を長くして待つのが 日課になります

ある日 電話BOXに貼紙を見つける
田舎町で 利用者の少ないこの電話を撤去するらしい
お母さんギツネは 少年が母親と話せなくなる事に心を痛めます
少年が走ってくる足音が聞こえる ガッカリする姿を見たく無い!

「もう1つ電話BOXがあれば‥私があの子の電話BOXの代わりになれたら」

悔しさから 足をダンダンと踏みならすお母さんキツネ
気がつくと‥お母さんキツネは電話BOXになってしまいました
少年は2台も電話BOXがある事に驚くが キツネの電話BOXに入ります
キツネは初めて 少年を腕の中に抱く事ができる
少年が受話器を握る  母さんキツネは少年に触れる事が出来た

少年とキツネだけの会話が始まる
少年の母になりきって 優しい声で答える母さんキツネ

少年が言う

「お母さんの病院のある町に引越す事になったよ!」

一緒に暮らすお爺さんの仕事の都合らしい
お母さんキツネは絶句する もう少年に会えなくなるからだ

「お母さん 嬉しくないの?」 『嬉しいわ‥』
「早くお母さんに会いたいよ!!」

そう言って 電話BOXから跳ねるように出て行く少年

キツネの姿に戻ってしまったお母さんキツネ
しおれた花のように 立ちすくんでしまう

貼紙の付いた電話BOXに入るキツネ
もう老朽化してるはずなのに キツネの為に最後の明かりを付けてくれます
キツネは受話器を手にします
星が降ってきそうな夜だから 子ギツネと話せそうな気がしたから‥

『もしもし‥ぼうや? あのね お母さん‥まほうが使えたのよ 本当よ』
でも誰も答えてくれません

お母さんキツネは 少年のお陰で
子ギツネが心の中に ずっと生き続けている事に気付きます

電話BOXが最後に灯してくれた 柔らかい明かりのお陰で
お母さんキツネの消えそうになった心に
ほんの少しだけ明かりを分けてくれました

こんなお話

最後は泣けて 泣けて 声が震えてしまった
息子を失った時の自分と お母さんキツネをダブらせてしまったからだ
姫が私の顔を覗き込んだ
でも「ママ?どうして泣いてるの?」とは聞かなかった
多分 姫には私の気持ちが伝わったからでしょうか
私は滅多に泣かない
つい泣いてしまうのは 息子の話をした時くらいなので 姫も察したのでしょう
私が続きを読める状態になるまで 黙って待っていてくれた

もうすぐ10年になるのに
あぁ 涙って枯れないんだな〜と改めて実感する
あの子が味わった痛みに比べたら
この心臓をギュっと掴まれる様な苦しみなんて どうって事はない

私があの子を思い出して 涙を流す事で一生忘れないでいられる
それが私のお仕事なんだ
何もしてあげられなかったから ‥せめて泣こう

[きつねのでんわボックス]

第8回ひろすけ童話文学賞受賞

戸田 和代 作   たかす かずみ 絵

金の星社

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